Re-Bear Project

2025/03/30 23:47

=作品紹介=
朽ちの息吹

かつて誰かの手で彫られ、飾られ、忘れられていった木彫りの熊。 この作品はただ綺麗にするのではなく、「時を刻んだ美しさ」を浮かび上がらせた。 熊本体の深いひび割れ、乾ききった表面。 これらは湯に浸し乾かしを繰り返して、割れを発生させ「風化」させた。 まるで古材やひび割れた岩のように、自然に朽ち果てた末に宿る力強さがそこにある。 身体に巻きつけた帯と鮭には銅板を施し、バーナーで炙り、酸化させたり、薬品で緑青を刻み込んだ。変色や黒ずみ、青錆びが複雑に混じり合い、朽ちたからこそ強く存在する力を感じさせる。 この作品に詰め込んだのは、時間が作り上げた痕跡そのもの。 本来なら数十年かかるこの風化を、1ヶ月で再現するため、素材の特性を見極め、意図的に負荷をかけながら変化を促した。 一度消えかけたこの木彫りの熊を、あえて朽ちさせ、その果てに宿る「新たな息吹」を呼び覚ました。

サイズ:W250mm D140mm H150mm
素材:シナ材、銅板、アクリル

=アーティスト紹介=
ARCHIBLEU

ARCHIBLEU(アルシーブル)は、フランス語で「歴史的資料」を意味する「アルシーヴ(archive)」と「青(bleu)」を組み合わせた造語です。青には未熟さと可能性、そして成長を象徴する意味があり、デザインが時とともに成熟し、未来に価値を紡ぐ存在でありたいという思いを込めています。 私は、家具やアートを通じて機能美と物語を持つ作品を創造しています。特に素材選びや伝統技術を現代の視点で再解釈し、時代を超えて愛される価値を生み出します。 感性を刺激し、新しい文化を築くデザインで、唯一無二の空間を提案していきます。

=作品画像=