Re-Bear Project

2025/03/30 23:43

=作品説明=
4PLA-Bear

本作品は、木彫りの熊を3Dスキャンし、廃棄ペットボトルから再生成させた4つのプロダクトである。
中空状態の3Dモデルにシンボリックな飲み口をつけることで、素材とモチーフを連想させる新たな容器を作り出した。

一見すると、この4つのプロダクトは全て同じように見えるが、それぞれ異なる厚みで造形している。
光を受けた時の表情、飲み口に息を吹きかけ容器を共振させた時の音高。

作品と触れ合うことで、その微細な違いを捉えることができる。
観察すること、あるいは相手を思いやるように接することで、たとえ複製品であったとしてもささやかな「オリジナリティ」を発見できることがある。

もしかするとそれは、制作者や使用者による思い込みかもしれないし、後から付いた何かの痕跡かもしれない。
しかし、多くの「モノ」が溢れる現代社会だからこそ、一つ一つの作られた/デザインされた「モノ」との新しい向き合い方が求められるのではないだろうか。

これは、複製芸術時代を生きる私たちに向けて、「ヒト」だけではなく「モノ」にも多様性があることを示す試みである。

サイズ:W160mm D88mm H130mm
素材:廃棄プラスチック


=アーティスト紹介=
千葉県生まれ、札幌市在住。秋田公立美術大学大学院複合芸術研究科博士課程修了。博士(美術)。宮本は、サウンドスケープと身体の相互関係に着目した芸術実践に取り組むアーティストおよび研究者である。その芸術実践は、音を介した主体間の相互関係を明らかにしようとするものであり、ヒト・モノ・コトを対象とする自己と他者への「まなざし」に気づきを与えることによって、観測者が発する音も含めた本来的なサウンドスケープの在り方を探求している。現在、札幌大谷大学芸術学部美術学科専任講師。

Web

=作品画像=